今日は障害者プロレス「ドッグレッグス」の興行があり、友人が4人出ました。
http://homepage3.nifty.com/doglegs/guide/index.html この数ヶ月で、誰でも格闘技関連で知り合いましたね。
高王 陽ノ道 英二 サンボ慎太郎
高王選手は、聴覚がきこえないですが、(元)ひきこもり相手の戦いでした。
高王君は、僕のよく知ってるボクサーが以前教えていたこともあり、完全にボクシングで行こうと16オンスはめていました。
相手は総合のグローブ。
1分数秒で、チョークできまってしまいました。
ひきこもりの勝ち。
色々勉強になりましたよね。
陽ノ道選手は現在の無差別障害王(両足拘束)で、相手は脊髄損傷の人でした。
こちらは体重が10キロないくらいの差で、ヒザ立ち。
打撃はお互い遜色なかったのですが、寝技に持ち込まれ、これもチョークでやられました。
この二人は、ろう選手で、聴覚が(ほぼ)ありません。
彼らのウォームアップを少しだけ手伝わせていただいたのですが、そのノリで燃えて、セコンドにつこうとしても、気づいたことは
「彼らには僕の声も指示も届かないんだろうな」と。
歓声もなく、応援の声もない。
もちろんセコンドのアドバイスも存在しない。
相手に当たった音も、自分に食らった音も、動きと痛みだけが、ゲームを続けさせる手がかりになる。
そんな完全な無音の世界の格闘技があるとしたらどうだろう。
それがきっと「聴流」のリングの上の世界なのかもしれない(おそらくもっと細かいこと等であるのでしょう)
陽ノ道君は、あえて今まで両足拘束で戦っているみたいです。
それは、写真家である彼のHP
http://saitoharumichi.com/index.htm (写真の多いブログは
http://umideomou.exblog.jp/ )
を見ても少しわかるかもしれませんが、おそらく障害を持った他の人を「知りたい」のかもしれません。
それは、声とか、何も関係ない肌と痛みのコミュニケーションの世界で。
だからこそ、武道はマーシャル「アート」なのかもしれません。
格闘技はコミュニケーションとは、やる人なら誰もがわかりますが、コミュニケーションであり、ある種「関心」というか「愛」っぽいものかもしれませんね。
他にも、知らない選手でしたが、それぞれ殴り合って蹴り合ってる姿を見て、「まあ、これが当たり前の表現の手段の一つだよな」となんとなく納得するかんじでした。
別に、格闘技は「普通」のことだからです。
もしかして、僕は脳性マヒとかのことをよく知らないので、おそらく、あれほどの脳への打撃は、けっこう危ないのかもしれません。
そこらへんのことは、これから危機管理が必要な部分なのかもしれません。
ただ、まあそれは承知で、あそこにはみんな上がっているでしょう。
それは、どんな新人戦でも、上のレベルでも、同じことのような気がします。
なので、おそらく、あの戦う姿は「当たり前」なのです。
しかし、おそらくは多数よりも、「違う」経験をし続けてきた人生を闘う姿の後ろに見るからこそ、「凄み」を感じる試合になっているような気もします。
あれはおそらく「福祉」なのです(もしかするとファイトマネーも合わせて・おそらく団体側としてはもうけはほぼ出てないでしょうが)
福祉としての格闘技。
福祉とは「誰もが当たり前」という世界の姿のことだとは思います。
英二選手は、勝ちました。
相手は、うつ病でガン患者とのこと。
彼はデビュー戦ですが、覇気があり、なおかつ落ち着いてもいたように思います。
結果チョークでKO勝ちしました。
寝技に流れる前の、打撃もかなり入っていたと思います。
セコンドの声もよく聞こえていた。
これは、よかったです。
慎太郎選手は、メインイベントで、タッグのプロレス形式で行いました。
さすがになんというか、カンロク?説得力というかスゴミがありますよね、存在感に。
ドッグレッグスを作ったきっかけでもある人です。
立ち姿にまあ、そういう「背負ってきているよ」というオーラのひしひしあふれる人です。
相手は北島代表ともう一人ですが、結局北島氏と何度かやりあった後、最後にパウンドからのTKOで負けました。
善戦してたと思いますけどね。
というか、寝技ルールでもいいんじゃ…とか慎太郎サイド、しかも格闘技視点からだと思ってしまいますけどね。
まあ、悔しかったことだと思います。
もう何回も試合はしないみたいです。
来年は見たいですね。
立ち姿で闘える人っていうのはそうはいませんよね。
そんなこんなで…
KFCとして、入場させてもらって、3人のウォームアップを手伝っていたのでなんか、いてもたってもいられず、ずっと控え室の舞台の袖の部分にいて席にいませんでした^^;
でしゃばりっていうか、なんかいつもの試合セコンドのクセみたいなかんじで…^^;
まあ、いろいろなことを思わせていただきました。
思った(聞いてた)より、めちゃくちゃな興行でもなかったと思うし、(”障害”の程度が様々な人を入れたこともあるのかもしれない)、みんな納得して楽しんでるんだろうとは思いました。
まさに「プロレス」(格闘技)だとは思います。
主催側、選手、ありがとうございました^^
(写真は英二君のしかちゃんと撮れてませんでした^^;)