2010年1月12日火曜日

皇居マラソン反省会

 皇居マラソンが終わりました。

 ここでは、舞台裏を書きます。


 僕は当事者本意です。
 僕の言う当事者というのは、自分で問題の本人で、解決に動きたい!と思っている人たちのことです。

 今回のマラソンは、前回が当事者3割ほどだったので、7割に上げたいと思いました。
 6割くらいでした。
 これはまあまあでした。

 100人を目指すと言っていましたが(公式には300人。300を打ち上げて100が来るので)、前回と同じ30人でした。
 これは一人の限界が30人だということだと思います。

 限界、とは、広報の限界です。

 2009年は、マネジメントに苦しめられる年でした。

 今回、当事者が実際に行う(参加型)事業の要は広報だと痛感しました。

 レンタル空手家でもそうです。
 「指導」したい~、と言ってくる人は、ある程度います。
 場所が揃ったり、ノウハウを身に着けてもらえば動ける程度の人です。

 しかし、要は「広報」なのです。
 レンタル空手家や、皇居マラソンは
 「当事者に運動、格闘技の敷居を下げる」(最初のきっかけ、一歩)ということがミッションです。
 
 「たった3センチのハードル」という車椅子の性NPO主催者、熊篠さんの書籍の題名がありますが、メンヘラ、ヒキニート等にとって、一般の運動機会は、敷居が高いものが多いのです。
 それを、最初、みんなで下げる試みです。

 また、運動ばかりでなく、付加価値をつけて運動に向かいやすくする活動です。

 
 やっている内容は、別に、普通のスポーツ・運動を少し軽くしたものに過ぎません。
 (むろん、話を聞いたりカウンセリング、友達づくり的な側面はあります。しかし、それも一般の延長線上でしょう)

 何が「フツー」と違うか、というとインフラなのです。

 そのインフラを作るために、当事者向けの地道で繊細な広報がいる。

 問題の当事者とは、世間を信用していないものです。
 当たり前です。
 問題に追いやられてきた本人なんですから。
 そこを突破していくことが必要なのと、当事者は本当に散らばって少しずつあちこちにいます。
 その中から「運動・スポーツ・体力づくり」したい、しないとヤバイ、と体レベルで実感している人はさらに少数です。
 本当に少しずづ一人ひとりニーズを拾ったり、丁寧だったり、細い所に告知することが必要なのです。


 自分はやりながら「あれも足りない、ここにも告知してない、しかし、もうそれをやる時間はない」と思いながら、ネット上であちこち書いたり声をかけたりしていました。
 やることはわかっているのに、もう絶対的に人力が足りず、これでは集まり難いだろうな、と考えていました。


 ~イベント自体は成功、イノベーション的には50点、ソーシャルインパクト的にはダメ、そして…~
 
 イベントの内容自体は成功だと思っています。
 とくに、当日は色んな人がスタッフなど協力してくれて、前回までのほぼ完全一人で行う状態からは脱せて、若干余裕を持って進行に専念、行うことができました。
 集会所やおにぎり、ストレッチなど、まったりできたのもよかったかと思います。
 
 (銭湯の時間が少ないのと、自己紹介もできなかったのは少しタイムバランスが悪かったですが、全然誤差の範囲内です)

 また、機材や集会所確保、撮影班など自分では用意できない、絶対的に行えないことをカバーしてもらえたのは、非常に助かりました。

 内容自体としては、進行にも若干慣れ、成功だったと言えると思います。


 イベントの目的としては、まあまあだったと思います。

 もともと、これは当事者が一人でも来たら、そのためにみんなで走ろう!という主旨があったので、当事者割合が多かったのは、アリだと思います。
 また、後日みなさんのフィードバック(日記やコメントなど)を皇居ブログのほうにアップ
しますが、楽しんでもらえ、体を動かすことを改めて新鮮にとらえてもらえたと思っています。

 来てくれた人にも、感謝です。
 
 ただ、今回の目的としては、「できるだけ全国各地から、当事者を呼び寄せる(マラソン→夜通し新年会として宿泊施設も用意したかったくらい)」そして
 「社会問題解決に関心のある人たちを、出来るだけ多数、一緒に走ってもらう」
 ことがありました。

 全国~、は時間の関係で、広報できませんでした。
 これも広報問題です。
 
 社会問題系もそうですが、何人か社会起業家に賛同をアプローチしましたが、全員返事が返ってきませんでした。
 そして、これも広報に時間がありませんでした。
 ほぼ、ソーシャル系には告知できなかったと言っていいでしょう。
 ただ、少しはしました。
 まあ、当事者と比べたら2の次なのですがそれでも、ソーシャルな活動に実際携わっている人が6人ほどしか来なかった(それも半分は顔見知り)だったので、少し残念でした。
 しかし、来てくれたので、これも、まあ、まあまあというところでしょうか。
 

 そして「ソーシャルインパクト」ですが、まあこれも広報問題なのです、全体的には30人弱(去年より数人少なかった)ということで、これはほぼゼロ点です。
 まあ、続けてこれたということで10点、30人は来たということで10点で20点くらいでしょうか。

 これでは、地味過ぎますね。


 そして、さらに「収益(ビジネスモデル)」の問題が残ります。


 ~ビジネスモデルを立ち上げないと続かない~

 おとなもにーとも皇居マラソン・経費
 こちらのコメント欄に記録してありますが、
 
 支出 が 29817 円で

 収入(参加費) が 9850 円でした。

 合わせて -19967円でした。

 
 参加費については、ワンコイン(500)でもいいかと思いましたが、告知する時に100人で計算して、ギリギリ赤字を埋められるだろう計算で350にしてポスターや告知もしてしまったので、途中で変えられませんでした。

 まあ、たとえ差し引きゼロになったとしても、この皇居マラソンにかけた時間は(ほとんどが広報)
 11月の末からはじめて、1月の9日まで、最初のほうは飛ばし飛ばしで、ラスト3週間はほぼつきっきり(年末年始以外)で、あてた時間の純計算としては、1日10時間として、20日くらいです。
 200時間くらい、ということです。(なんとなくもっとあった気がしますが、時間は途中でつけるのをやめてしまったので、これくらいで出すしかないです)

 ようするに、1日10時間あたりで、1人参加。

 費用対効果もまずすぎます。
 が、当事者メインなら、こんなもんかもしれません。
 だからこそ、ボランテイアが絶対的に必要でした。

 ニーテイングで、僕以外2人しか集まらず、広報はゼロだとわかったとき、正直「このイベントは終わったな」と思いました。
 ようするに、僕が壊れるなということです。
 
 それでも、やらないわけにはいかなかったので、ベストはつくしたつもりです。
 今、手元に(口座含め)5000円しかありませんが。

 協賛は、森岡さんが一人ついてくれましたが、どこもダメでした。
 行った場所は2つで、1つは話にならず、もう一つは、会議に出し、「たぶんこのお金以外のものなら可能かも」と、連絡すると言ったまま来ませんでした。
 ものすごく大きな企業で、CSRにも力を入れてアピールしている企業です。
 
 今回は、いろんな人が、少しずつ協力してくれて、以前までより分厚い内容になって、内容自体としては成功したと思っていますが、全体的には圧倒的に自分一人だけのイベントで、孤軍奮闘だと思っています。

 これではいけないのです。

 
 これからは、他の団体と共にやる、というのが一つあります。
 しかし、これもアプローチするのに気が遠くなりそう(それ以上に時間的コストが悪すぎ、費用対効果が悪すぎ)な作業です。
 そして、組んだとしても、生半可なところでは「組まないほうがマシ」な状態になるでしょう。
 僕が統括することになるからです。
 マネージメント的なところでです。

 おそらく、どんな所からか、ビジネスモデルを作る必要が出てくるでしょう。

 ビジネスモデルではありませんが、一つは、助成・協賛です。
 助成は、今まで10いくつ出していますが、一つとして一時審査を通ったことがありません。
 はっきり言って申請出すのに2日かかります。
 協賛は、メリットを打ち出さないと厳しいでしょう。
 CRSを打ち出すところでは「人件費は出さない」所がメインだからです。
 だから、広報費でとるしかない。


 他にビジネスモデルがあると思います。

 しかし、ようするに、今のままでは続かないということです。
 自分の精神的にも。
 詳しくは書きませんが、この色んなことに苦しめられた1年の集大成のような抑うつ感が毎日来ていた日々でした。


 ----

 ~終わりに~
 
 僕は、自分の事業のほぼ半分以上、いや、ほとんどは「広報」モデル作りだと思っています。
 というか、今回のイベントで痛感したことですが。

 すべては「広報」から成り立つもので、基盤です。
 ビジネスモデル、事業の進め方、マネジメント、等は、それぞれ重要で大変ですが、「広報」の締める重要さと比べれば、後からついてくるんじゃないかくらいのものだと思っています。
 むしろ、広報こそがビジネスモデルに繋がるものでもあり、マネジメントにも、事業拡大性にも繋がると思っています。
 ここで言う「広報」とは、当事者、手伝いたい人、社会(世間、マスコミ等)、企業向け…等社会全体に向かってのアプローチのことです。

 有効な広報でなくてはならないし、費用対効果も良くなくてはならない。
 そして、収益を生むものに繋がるものであること。
 さらに、それぞれに向かっての、それぞれのアプローチ方法があること(社会それぞれに、ニーズがあり、違う)

 これを発展できれば、仕組みは作れると思っています。
 あとは先人たちや、今まであるものや人、システムを組み合わせるものだと思いますから。

 
 そんなことを思いました。

 

 何はともあれ、皇居マラソン2010、は終わりました。

 先に繋がなければ、未来はない、ということです。


 社会的な満足度の高さが問われる未来になるだろう、そして、それを誰かがやるだろう。
 そして、その誰か、とは僕らなのです。

 これがわからない人は、傍観者でいいし、無理にやらないでいてほしいし、自分の思っていることと違うことや、少しだけどできることもあると思います。 
 
 「したい」と思う人だけが、できる社会になればいいと思います。

 誰も無理強いはしない。
 したくない。

 無理やり鞭で叩いても、人は走りません。

 だからこそ、自ら来て、走る皇居マラソンは尊いのです。

 社会に関心が無いなら、なくていい。
 自分自身にすら関心がないなら、なくていい。
 皇居マラソンは、行う。
 僕は、走る。

 それだけの社会だと思います。
 だからこそ、それぞれ自分ができることを知るチャンス=”広報” を!!

2 件のコメント:

  1. とりあえず、次回が決まったら、メッセージください日記に載せますので

    返信削除
  2. はい、ありがとうございます^^

    返信削除